『人生の半分』第14回短編小説の集い投稿作

「あなた、お食事が冷めます」 妻の洋子がたしなめる。洋子はすでに夕食の半分以上を食べ終えていた。 文雄は、箸を持った手を胸のあたりで止めたまま、テレビ画面に見入っている。 車椅子バスケの特集だった。車椅子に乗った青年たちがコートを滑り、くるくると踊るようにしてボールのパスを繋げる。受け取ったひとりがふ…