ときまき!

謎の創作集団による、狂気と混沌の執筆バトル。

2015年後半期 増田文学大賞(はてな匿名ダイアリー)

「はてな匿名ダイアリー」に投稿された、秀逸な創作作品の数々をご紹介したい。タイトルの通り、2015年7月~12月に投稿されたエントリーを対象とした。2015年前半期については2015年前半期 増田文学大賞(はてな匿名ダイアリー)の記事をどうぞ。 

 この記事で伝えたいことは、本当にもうただひとつ。

「増田、大好き。」

 増田文学大賞という大層な名前をつけてしまったけれども、これは僕個人から名の無き作者たちに送るラブレター(ファンレター)だと思ってもらえれば嬉しい。

増田文学大賞

 それではさっそく。一応、コメントで物語内容についても触れているため、ネタバレを避けたい人は先に元記事の方を読まれたし。

ミステリー部門

 これはもっと評価されるべき、と声を大にしてレコメンドしたい作品で、個人的にはとても気に入っている。トラックバックの方で余計な茶々が入ってしまっているのが残念だ。

 系統としては「意味がわかると怖い話」に近い。おそらく一般の人々がこれを読んでも意味不明だとは思うのだけれど、少なくとも「増田文学」の検索キーワードでここに来られた人々が読めばきっと唸り声を上げるはず。

 伏線の敷き方とそれを開示する(読者に気が付かせる)タイミングがとても上手い。冒頭で主人公が「インドア派だけどサーフィンをしている」という情報がすでに一つ目の伏線となっていて、ネタが分かってからだと嗚呼だから作者はあえてこのような書き方をしているのかと感心させられる。

連載小説部門

  1. 疲れている人
  2. それは牡蠣ではありませんよ
  3. さようなら疲れている人
  4. 最後の砦
  5. 【疲】れていたのは私

 いやはや、これはすごい。何がすごいのかと言うと「連載小説としてもショートショートとしても読める」ところ。もともと増田に投稿する以上、連載で書き進めるなんてことは不可能に近い。読者登録ボタンもなければ、作者の同一性を担保する仕組みもないのだから。

 ところがこの作者は「タグ機能」も「トラックバック機能」も一切使わずに、自らの《文章》だけを鍵として、物語の続編を書き進めている。投稿を時系列のとおりに読まなくても独立した物語として引き込まれ、しかも大いに続きが気になる。

掌編部門

 物語としての内容はとくにない。文章をやたらめったら面白くすることに特化した、レトリックレトリックした作品。その場のノリだけで書かれたらしいも、勢いが素晴らしい。馬鹿げているけれど愛さずにはいられない文章。

歴史小説部門

 増田と増田ブックマーカーを題材とした嘘歴史なのだが、文体から醸しだされるリアリティがとてつもない。まるで歴史書を紐解いているかのような錯覚に襲われる。内輪ネタと言えばそれまでなのだけれど、この文章はなかなか書けるものではない。

「僕、最近は増田文学にハマっていてね」

「ますだ? 聞いたことがないな」

「ふっ、キミ、増田文学も知らないのかね。いまや増田は日本史の教科書にも載っているんだがね」

 とか何とか適当なことを言って、このエントリーをプリントアウトしたものを見せれば、きっと騙せそうである。そのくらいに良くできた文体。

エンタメ部門

 本当であれば、本作を後半期の「増田文学大賞」とする予定だった。しかしどうやらこの文章、「はてな匿名ダイアリー」が初出ではないようだ。2004年に「あやしいわーるど」というネット掲示板に投稿されたらしい。(詳細は不詳。どういうわけか本エントリー末尾ではCC0[No Rights Reserved]表記がある)

 なので、本来はこのエントリーを「増田文学」として紹介するのは間違っている。けれども、この投稿はあまりにも傑作であり、今期に増田で読んだ文章のなかでは間違いなくベストなので、とりあえず紹介だけはしておきたい。

 文章表現、物語展開のひとつひとつをとっても、まさにホラー小説のお手本のような作品である。ことエンターテイメントにおいては「主人公がどのように変化をするか」を描くのがもっとも重要で、本作では主人公の心理の移り変わりを『ハンカチおにぎり(ドラコ)』というアイテムに投影して物語を進めている。

 あくまで物語の核は「ドラえもんのひみつ道具」でありながらも、実際に描かれているのは人間関係の変化であり人間心理の変化なのだ。作中の《アイテム》の描き方が卓越している、素晴らしい文章作品。

青春小説部門

 文章表現としてはそこまで凝っておらず、淡々としているし、小説らしいレトリックもほとんど使われていない。けれど、切ない読後感が良かった。「初頭効果と終末効果」と言うらしいが、本作は「書き始めと書き終わり」がうまいなと感じる。

『クリスタルガイザーの蓋もあけにくい。』という一文から始まって『手は離さなかった。』の一文で書き終わる。話の繋げ方がなかなか読ませる。変なオチや結末をつけずに、その後を想像させる余地を残して物語を終えているのも余韻があって良かった。

レトリック部門

 ひとつ前の「ビンの蓋~」とは対照的に、レトリックを積極的に取り入れている作品。内容としては「飼っていたヒヨコが野良猫に襲われてしまった」というだけで、主人公の対立・葛藤・変化も、物語性もない。純粋な文章表現のみで勝負している印象を受ける。

 エントリーを読んでみると分かる通り、本作は特徴的な比喩表現を用いている。

  • 脂ぎっているような白熱灯
  • うじゃうじゃとまるで「蜘蛛の糸」を待つカンダタのような感じ
  • 落語の道楽若旦那もうらやむような生活

(引用:『ひよこ』)

 よく私たちが「文才、文才!」と褒めそやしているのは、じつは「天賦の才」の類ではなく、「勉学によって身につけられる修辞技法」なのだ。なんでもかんでも才能のひとことで片付けてしまうのは傲慢なもので、名文を書く人はやはり人一倍の努力をしている。本作からは「文章を面白くしよう」とする熱意が伝わってきて、そこが胸を打った。

2015年ベストオブ増田

 2015年を総括すると、『前半期』の方で大賞に選んだ「うちの金魚の半生」が増田文学のなかで最高だった。これはもう本当に、素晴らしい。

終わりに

「なんであの傑作増田が選ばれてないんだ?」みたいなのがあれば(多分投稿を見落としているので)ぜひ教えていただければ嬉しく思う。

 じつは少し前に『はてなグループ』というサービスを使って増田文学部なるものを作ってみた。トップページから匿名ダイアリーの新着ホッテントリ10件と『増田文学』タグのついたエントリーの最新10件を見ることができる。増田文学部では、はてなユーザーであれば日記や掲示板を自由につくれて、自由に増田語りや増田レコメンドができる。(果たして需要があるのだろうか……。)もしよろしければお気軽に。今回、ブログの方で紹介し切れなかったエントリーも、この増田文学部のほうにまとめておきたい。

 ではでは、次回は2016年前半期でまたお会いしましょう。

(おわり)

関連記事

小説らしい文章の作り方(M式縛りプレイ執筆法)

海鳥まき

 お久しぶりです。私の単独記事は7ヶ月ぶりですね。ご無沙汰しておりました。

 海鳥まきと申します。初めましての方は初めまして。

どうすれば小説っぽい文章になるの?

 さてさて、本題に入りましょう。精神論や抽象的な創作論をとやかく述べるつもりはありません。私がするのは具体的な話のみ。夜空の月を手に入れたいと悩むより、池で泳いでいるスッポンを捕まえて鍋にして食べたほうが身になります。ここでは制御可能な小説文体について語ります。

【問い】下記の例文から「小説らしい文章」を作るにはどうすればよいか。

 今日は雨が降っていた。けれども、私はピクニックに出かけようと思った。

1.「接続詞」を使わない

(修正前)

 今日は雨が降っていた。けれども、私はピクニックに出かけようと思った。

(修正後)

 今日は雨が降っていた。私はピクニックに出かけようと思った。

 例文で示したいのは『雨なのにピクニックに出かけようとする主人公の異常性』です。ゆえに、この文章では読者に(どうして雨なのにピクニックに行こうとしたのかな?)と疑問に思わせなければいけません。

 主人公の一人称で『けれども』と言ってしまうと、それだけでもう主人公が常識的観念を持った人物になる。それでは物語として面白くなさそうです。省ける接続詞は徹底的に省いた上で、描写に説得力を持たせる必要があります。

「けれども」「しかし」「だから」「ゆえに」「なぜなら」「そして」などの接続詞が文中に出てきた場合には、代替表現を考えます。

2.特定できない「時間」「場所」の表記を使わない

(修正前)

 今日は雨が降っていた。私はピクニックに出かけようと思った。

(修正後)

 彼氏と別れて三日目の朝。その日はバレンタインデーで、雨が降っていた。私はピクニックに出かけようと思った。

『今日』は読者にとっては特定不可能な表記です。『今日』は2015年の12月20日かもしれませんし、1872年の5月2日かもしれません。小説作中の時間表記では客観的時間と主観的時間の双方を明示する必要があります。

客観的時間

 年代、季節、時間帯を示す。

主観的時間

 主人公にとってその時間がどのような位置づけにあるのかを示す。

3.「思った」「感じた」「考えた」を使わない

(修正前)

 彼氏と別れて三日目の朝。その日はバレンタインデーで、雨が降っていた。私はピクニックに出かけようと思った

(修正後)

 彼氏と別れて三日目の朝。その日はバレンタインデーで、雨が降っていた。私はトートバッグのなかにサンドイッチパックとミネラルウォーター、レジャーシートを詰め込んで、最後に雨傘を手に取った。ピクニックに行くのだ。

「思った」「感じた」「考えた」は便利な言葉です。しかしこれらに頼ってしまうと、なかなか具体的な描写になりません。なるべく回避して、代替表現を考えます。

4.「あの」「その」「この」「どの」などの指示語を使わない

(修正前)

 彼氏と別れて三日目の朝。その日はバレンタインデーで、雨が降っていた。私はトートバッグのなかにサンドイッチパックとミネラルウォーター、レジャーシートを詰め込んで、最後に雨傘を手に取った。ピクニックに行くのだ。

(修正後)

 スマホのアラームで目を覚ます。待ち受け画面は2月14日の午前6時を示している。『バレンタイン・デー♡』のスケジュール通知が私の心を苛立たせた。彼氏と別れて三日目の朝、カーテンを開けると窓の外は雨だった。どしゃぶりの雨。

 お気に入りの服に着替える。軽く化粧をして、後ろ髪をシュシュでくくる。トートバッグのなかにサンドイッチパックとミネラルウォーター、レジャーシートを詰め込んで、最後に雨傘を手に取った。ピクニックに行くのだ。

「わたあめ」のように文章を組み立てる

 いかがでしょう。たった34文字だった例文が、最後には212文字にまで膨れ上がりました。およそ6.2倍ですよ。わたあめみたいですよね。わたあめと同じです。たったひと匙の砂糖の甘さを伝えるために、ふわふわと文章を大きくしていくのです。

(※例文で伝えたいのは『雨なのにピクニックに出かけようとする主人公の異常性』であり、このたったひとつを伝えるためにあらゆる描写が存在します)

  今回「接続詞を使わない」「指示語を使わない」などの条件をつけました。けれども、小説文体で接続詞や指示語を使っては駄目なのでは決してありません。

 重要なのは「○○を使わない」と縛りを課すことによって、より適した代替表現が見つかることです。これが、名付けて「M式縛りプレイ執筆法」です。

表現の幅を広げるための「縛り(使用制限)」リスト

  • 接続詞の禁止(しかし、だから、そして……)
  • 曖昧の「が」の禁止(私は彼にフラれたが、あきらめがつかない)
  • 接続詞「ので」の禁止(晴れたのでピクニックに行こう)
  • 指示語の禁止(この、その、あの、どの、ここ、そこ、あそこ……)
  • 「思った」「感じた」「考えた」の禁止
  • 特定できない「時間」と「場所」の表記の禁止
  • 「AというB」の禁止(劣等感という感情が私を際限なく苦しめた)
  • 「~と言った」の禁止
  • 「頷いた」「振り向いた」「微笑んだ」の禁止
  • 三点リーダーの禁止
  • 文末重複の禁止(~だった。~だった。)
  • 「~のような」の禁止(直喩)
  • 「こと」「もの」「とき」の禁止(私にとって悲しいことだった。/それは嫉妬とも呼べるものだった。/私が彼に初めてあったとき…)

 挙げればキリがありませんね。もしも自分の文体の《癖》が把握できていれば、使いがちな表現を禁止してみましょう。きっと表現のバリエーションが広がります。いわゆる《縛りプレイ》です。

 水泳の練習をするときに脚にビート板を挟んでバタ足ができないようにする、テニスの練習をするときに利き手にリストバンドの重しをつけて《スネイク》を打てなくする。なかなかにマゾヒスティックな手法ですが、水泳やテニスでできて小説でできないわけがありません。

 小説文体を作っていくための最大の秘訣は「自分に制約を課して代替表現を探す」の一点に尽きます。文体を分析するとき「どのような表現が使われているか」ではなく「どのような表現が使われていないか」に着目して見ると面白いです。

 ではでは、今日はこの辺で。ありがとうございました。

(終わり)

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第15回短編小説の集い テーマ『過去』の感想

 第15回短編小説の集い、テーマは『過去』

 今回は私も参加したかったのですが、なかなか書く時間が取れず……。

 さておき、参加者さんのご作品読みました! せっかくですので、感想を書いてみようと思います。完全読者目線です。

 また、前回と同じくネタバレ前提で感想を書いていきますので、まだ読んでないよーという人は、先に投稿作品の方をぜひ読んでみてください。

感想

『細胞凍結技術』ではるか未来にタイムスリップしてしまった主人公。いわゆるクライオニクス(人体凍結保存)ですね。時にして2207年。主人公の家族や知人は、みんな死んでしまっています。物悲しい雰囲気が、作品全体に漂っています。

 本作で特筆すべき点は「おせち」がモチーフとして用いられている点です。私はこれを非常に重要視しています。なぜ、人体冷凍保存で未来に辿り着いてしまった主人公のテーマが「おせち」なのだろうかと。たまたま今が12月で、おせちシーズンが近いからではありません。

 あくまで一読者としての感想ですが「おせち」が用いられている点に、私は明確な意図と必然性を感じ取りました。換言すれば「何故これほどまでに、おせちの重箱と、過去―未来の話はしっくり来るのだろうか」と。タイムスリップとおせちが、あまりにも見事にマッチしているのです。読後、ずっとこの違和感について考えていました。そして得たひとつの解釈。

 浦島太郎ですよ! 冒頭で、主人公がおせちの重箱を手にするシーン。まさに浦島太郎が乙姫から託された玉手箱に相当します。竜宮城から戻った浦島太郎の世界は何百年が経過していて、彼はひとりぼっちになった。孤独に耐え切れず浦島太郎は玉手箱を開けますが、彼はたちまちおじいさんになってしまいます。何故、玉手箱を開けたら歳を取るのか。それは箱のなかには「過去」が詰まっていたからです。

 では、本作の主人公が重箱のなかに詰めたものは何だったのか? 一恵が重箱のなかに見たものは、何だったのか?

 以上の点を踏まえて読むと、本作のテーマが「未来」ではなく「過去」でなければならない必然性が見えてきます。(作者さんの意図と別に読解してたらごめんなさい)

 

 ミステリーものですね。ネクタイが事件解決の「鍵」として首尾一貫していたことと、ラストでアクションシーンの盛り上がりがあった点は良かったです。ただ正直なところ、短編小説に詰め込むのはかなり難しいストーリーだったのではないかと……。(私的にはこれは長編小説にしても良いと思います)

 アドバイスとしては、「改行」を意識されると、読みやすさが格段に向上するかと思います。本作では500文字~1000文字で改行が入っています。小説ですと基本的には、200文字前後で改行を入れると文章が読みやすくなります。

 長文ですと、読者はシーンや文章のまとまりをどこで区切ったら良いのか、分からなくなってしまいます。改行を積極的に使うだけで、読みやすさはめちゃくちゃ上がります。

 あと本題とまったく関係ない話で恐縮なのですが、本文のフォントの色はもう少し濃い方が読みやすいです。(文字色が薄くて読めなかったので、Wordにコピペして作品読んでいました)

 はてなブログの「デザイン」→「デザインcss」という項目で

 .entry-content {color:#333333;}

 というような設定をしますと、本文の文字色を濃くできます。#333333の数値(カラーコード)を変更すると、好きな色に変えられます。(小説と関係のない話でほんとにすみません)

 ミステリーとなると、キャラクターもたくさん出てきますし、分かりやすく描き分けをするのはとても大変なことだと思います。(ましてや短編に収めるとなると……)

 ですがさまざまな個性的なキャラが登場するのは、作品の何よりの魅力です。また次回作を楽しみに待っています。

 

 読みやすいリズム感のある文体でした。(特に『ボク』文体の方)

 名前の出てくるキャラクターが10人近く登場するものの『ボク』『シホ』『ケイ』の3人で物語が進行していくため、とくに混乱はなく読み進めていくことができました。

(強いて言えば『ミホ』と『シホ』が似ているのでごっちゃになりそうだったこと。もうひとつは、シホのカレシの『ケンジ』は名前を出さないほうが分かりやすかったかなぁ……ということでしょうか)

 少し引用いたしますと、この部分の文章がやや気になりました。

数日後の夜、カレシであるケンジの家にボクらはいた。いつも皆でいる洋間である。一人がけの赤いソファにはボク、三人掛けにはケンジとシホが座っていた。シホはカレシとその小学生からの親友であるボクに話した。なんでボクなの。

第十五回短編小説の集いに参加します。「private eyes」です。テーマは過去です。 - 池波正太郎をめざして

  シホ→ボクへと、視点が変わる文章の冒頭部分です。

 この最初の段落では『カレシ』が『誰の』彼氏であるのかを読者は読解するのが難しいです。「(シホの)彼氏はケンジである。」と補って読めば済む話ではあるのですが、急に三人称から一人称へ視点が変わっているのも相まって、初読時は読み解くのが難しい。

(ケンジは物語のキーパーソンではないため、シナリオ進行上はまったく差し支えないものの『ケンジ』という名前を出してしまっている以上、読者はケンジを重要人物であると認識します。ケンジの存在がやや読解を難しくしており、いっそのこと『ボク』がシホの彼氏であったならば……とは感じます)

 ボク文体はユーモアがあり、非常に良かったです。ボクは良いキャラをしています。重箱の隅をつつくような指摘をしてしまいましたが、正直なところこれほどの(たくさんのキャラが出てきて、場面転換の多い)話を読ませてしまう文章表現技量には脱帽します。読みやすい文体です。

「オチ」に関しては、私は次のような予想をしていました。

「じつはシホが、私のほんとうの妹なの」

 さすがに……無理がありますかね。短編小説のオチはたしかに難しいです。本作は文章がとても楽しかったです。

 

 即興小説トレーニングの「お題&必須要素&15分縛り」で書かれた作品なのですね。最初、どうして芥川賞ではなくて直木賞の方にしたのだろうと疑問でしたが、その謎は氷解しました。(しかも単に「直木賞」のキーワードを入れるだけでなく、後から「芥川賞」と「ノーベル文学賞」とを絡めることで、縛りワードの直木賞にも必然性を持たせている。流石です)

 やはり大切なのは「必然性」なのだと思います。すべての描写に必然性があり、物語に一貫したテーマがあること。本作は描写に無駄がないです。

 小説を書くのは孤独な作業です。ひとりぼっちです。苦しいです。けれども、決して独りだけで書いているのではない部分もあります。人から人へ継がれゆくもの。過去から未来へ託されるもの。本作の「作家が作家を生み、作品が作品を生む」ように、私たちの紡ぐ小説も、他者と過去とが化学反応してできたドミノ倒しの一貫なのかもしれません。

 

即興小説トレーニングは小説のトレーニングツールで、私も愛用しています。15分縛りでは1作も完結させたことがないです。30分縛りでようやく1作完結。執筆の瞬発力を鍛えるには優れたツールです。おすすめです。

 

(終わり)

 

みんなでやろう! はてなハイク!!

魚崎とき

やほー! うちは、このブログの主人公、魚崎とき(うおざきとき)やでー!!

「ときまき!」のメインヒロインのはずやのに、まさか登場が2ヶ月ぶりとは……。

さておき、今日は「はてなハイク」っていう最新鋭にして大流行のSNSを紹介するで。

はてなハイクとは?

殺伐とした"はてな"における、たったひとつの癒やしのオアシス。承認執着に疲れきった旅人が足を運ぶその場所は、猫の写真で溢れた安らぎのセカイ。

はてなハイクの良いところは、その場で絵を描いて投稿できる《お絵描き機能》があるところ。うちも、お絵描きメインで投稿しとうで。参考までに、今までにはてなハイクに乗っけたイラストをポイポイ貼ってく。

ネコ

おはようさぎ

男の子

おやすみかん

おやすみカエル

おやすみネコ

おやすみバナナ

おやすみゾウ

おやすみときちゃん

おやすみクラゲ

こんな感じ! これらのイラストは、みんな「はてなハイク」の投稿画面で直接描いたもの。投稿画面には「ペイント」みたいなツールがあって、筆、塗りつぶし、水彩画、シンメトリー、カクカク、直線、消しゴムなどなど、意外と高性能なお絵描き機能が備わっているんやで。色もたくさんあるし「元に戻すボタン」で簡単に書きなおすこともできる。

はてなハイク投稿画面

 上が実際の投稿画面。《Haiku!》をクリックすると、イラストが投稿される。ちなみに【おやすみ】って書き込んでるのんが、はてなハイクの【お題 (キーワード)】なんや。表題部分に「おやすみ」って名前をつけて投稿すると、おなじ「おやすみ」というキーワードをつけて投稿した人と繋がることができる。(ツイッターで言うところのハッシュタグみたいなもん)

「おやすみ」は人気キーワードで、今までに累計で32万件投稿されたみたいやで。

ツイッターとの違い

はてなハイクとツイッターは似て非なるSNS。簡単にツイッターとの違いを説明するで。

1.はてなハイクのトップページから、みんなの投稿を一覧できる!

ツイッターみたいな利用者数の多すぎるサービスでは、全ユーザーの投稿一覧なんて追うことが不可能で、ふだんはフォローしてる人のツイートを見るんがメインやと思う。

せやけど、はてなハイクは過疎ってる小ぢんまりとしたほのぼの系サービスやから、トップページからみんなの投稿を見ることができる。まったく絡みのない知らない人からでも、ポイポイと星(はてなスター)がもらえたりする。ツイッターの「フォロー×フォロワー」よりもさらにゆるいフニャフニャな関係で、繋がることができるんやね。

2.星がもらえるのはいまや「はてなハイク」だけ!

ツイッターのフェイスブック化が著しい。ふぁぼスターが廃止され、いいねハートに変わってしまった。いまや、星をゲットできるSNSは、はてなハイクだけになってしまった。

うちも若かりし頃はαツイッタラーとして名を馳せた存在で、界隈ではファボイーター《星を喰らう者》として畏れられとった。ツイッターを追放された《星喰人―ファボクラウド》たちは、深い絶望と悲しみの果て、憩いのオアシス「はてなハイク」へと辿り着く。オアシスには、はてなスターが綺羅びやかに泳いでいる。

ところが、ハイクでは大量のスターを獲得することは意外と難しい。(1個か2個くらいならよく貰える)スター中毒者にとっては、ハイクは案外厳しい環境かもしれない。

増田にもこんな投稿があった。(恐ろしい恐ろしい……)

たしかにハイクは星集めの場としては向いていない。(ブログやブクマの方が貰いやすい)むしろ、星が欲しいよぉ!といった承認執着から遠ざかって、ほのぼのまったり心を癒やすための場がハイクなのん。(でも星は欲しい

3.はてなプロフィール画面で「ハイクちゃん」のアイコンが表示される

ハイクちゃん

はてなハイカーになると、はてなのプロフィール画面(ときまきさんのプロフィール - はてな)で、はてなハイクのかわいいアイコン画像がご登場。ささやかなコレクター欲求が満たされる(?)。メダルの方は、はてなハイクの投稿が7日を超えると貰えたはず。

他にも、うちの使いこなせていない機能がたくさんあって、例えばフォトダイアリーの写真にイラストを描き込んで投稿したり、動画を載っけたり、音声ファイルを載っけたり、IDコールを飛ばしたり、スターフレンドに返信を飛ばしたり、ブログパーツにして貼っつけたり、いろんなことができるみたい。

まとめ

個人的には、さくっとお絵描きできて、さくっと投稿できる。これが一番うれしい。ツイッターには、こんなに気楽にお絵描きできるシステムはないからな。

はてなハイクはもっと評価されていいと思うで。

みんなでやろう! はてなハイク!!

(終わり)

 

自分の頑張り具合を「定量的」に評価する

時巻エイ

  お久しぶり、と言って果たして伝わるだろうか。なにせ『僕』がブログに登場するのは3ヶ月ぶりなのだ。もしも読者のなかに「僕を憶えているよ!」という方がいらっしゃれば、今すぐにでもメロスとセリヌンティウスのような熱い抱擁を交わしたい。

 初めての方ははじめまして。僕は時巻エイ(ときまきえい)。3ヶ月前はフリーターだったけれど、今は専業でWebライターをやっています

執筆文字数を記録するとやる気がなくても書ける

 やる気を出す方法を考えるよりも、やる気を出さなくても何とかなる方法を考える方が、役に立つ。ライティングというのはクリエイティブなお仕事に見えて、その実80%は地道な作業(たんたんタスク)だ。モチベーションの維持が難しい。

 売れっ子ライターならば次々と舞い込んでくる仕事と「〆切」こそが原動力たり得るのだけれど、僕のようなヒヨっ子ライターは営業をかけなければ仕事が取れない。(つまり「原稿を書かなくても良い」状態を作るのが簡単。疲れたら営業をストップすればいい)

 とはいえ、そんなグータラな日々を続けていれば、貯金が底をつくのは時間の問題。未来も成長もない。やる気がでない日でも、ストイックに原稿を書き続ける方策が必要なのだ。書くことを習慣としなくては。

 そこで、編み出した方法がこれ。名付けて【レコーディング・ライティング

10月執筆文字数推移

 Excelでその日の執筆文字数を表管理して、月累計の執筆文字数をグラフとして出力している。10月の目標値は10万文字(赤い棒)

 結果として10月の総執筆文字数は10万2715文字で、何とか目標を達成した。グラフを見ると一目瞭然だが、10月上旬~中旬はほとんど書けない日が続いた。スランプだった。(25日の時点で4万文字しか書けていない)

 グラフをつけていてさすがに焦りを感じ、最後の1週間で怒涛の追い込みをかけた。レコーディングしていなければ、10月はダラダラしたままに終わっていたかもしれない。定量化(やったことを数値化して見えるようにしておくこと)は大切である。

 ブロガーさんは、広告収益やPV数を発表したがる。これは自身の成果を「定量化」して、モチベーション維持を図るのが目的なのかもしれない。

11月の執筆文字数推移

 ちなみに先月11月は、このような結果となった。

11月執筆文字数推移

 11月目標値は15万文字。総執筆文字数は15万2286文字。これも何とか達成。

 もしも「1文字単価2円」で仕事を請けていれば、月30万円ちょっとの収入である。「おっ、Webライターも案外悪くないじゃん!」と思われるかもしれない。しかし僕の場合は平均すると「1文字0.5円」程度なので、現実は月収入が10万円を下回っている

 繰り返すが、僕は副業ではなくて、専業ライターである。ついでに株式投資家でもあるけれど、負けてる……:;(∩´﹏`∩);: :;(∩´﹏`∩);: :;(∩´﹏`∩);:

 文字単価を上げるためには、努力して、もっと良い文章が書けるようにならなければいけない。頑張ろう。いや、頑張らなくても書けるように、頑張るのだ。

12月の目標は、20万文字!!

 さあ、年末に向けてラストスパートだ。

(終わり)

短編小説の集い 第14回「食」の感想

 短編小説の集い 第14回、テーマは「食」でした。

 簡単にではありますが、参加者さんの投稿作品の感想を書いていきたいと思います。

 ネタバレがあるため「まだ読んでないよー」という方は、上の投稿作品一覧から先に作品を読むことをおすすめします。

短評

 奥さんと旦那さんの人物描写が良かったです。

 積み上げられた本のなかに倒れてそれでもページを繰る手を止めない旦那さん。「今いいところなんだ、邪魔しないでくれ」と繰り返される言葉が、旦那さんの人物像に色濃く印象を与えます。

 旦那さんの「~邪魔しないでくれ」は作中に2回登場しますが、1回目の台詞では(嗚呼、奥さん気の毒に。旦那さんはきっと冷たい人なんだな)と読者に想像させる。そして2回目の台詞では(いやいや、旦那さんは純粋に本に夢中になっているだけの読書狂じゃないか)と認識を訂正させる。旦那さんがどんな人物であるかの説明の運びが、とても丁寧で分かりやすいと感じました。

 あと奥さんの心理描写はユーモアがありますね。「今いいところなんだ、邪魔しないでくれ」を勘ぐって、ほんとは夢中になっているのは本ではなくてよその女では?と疑ってみたり、本とスープとを対比させて(本は冷めないのだから先にスープを飲んでよ!)と思ったり、そういった奥さんの内面の描き方が面白かったです。

 オチは短編小説らしい、最後にフフッと笑わせてくれる後味の良い読後感です。

 SF!と思って読み進めていたのですが『航海日誌七日目』以降の驚きの急展開で、読後感としてはとってもホラーな感じの作品でした。ホラー大好きです。

 最後の一文は、なかなか余韻を残しますね。船が地球に到着し、人類がその《ギフト》と出会ったとき、それはもう人類滅亡の幕開けにすぎないのでしょう。

 ホラー作品として見た場合に、物語のスパイスとなっているのが「ハミングと音楽」個人的にはこのハミングの描写が醸しだす恐怖・不気味感というのは圧倒的だと感じます。こう、頭から葉っぱが生えたり、顔がだんだん真っ赤になっていったり、そういうのもビジュアル的には怖いのですが「ハミングを口ずさむ」というのは脳の内側から揺さぶられる《侵食》を意味しますから、そりゃもう恐ろしい。

 私たち人間は美味しい食べ物を食べて、幸せになりますし、身体の成分は「食べたもの」によって構成されます。換言すれば「食べものに侵食されている」わけで、そんなことを考えながら読んでいました。

『ケイ』は魅力的なキャラクターでした。主人公と一夜を過ごすシーンは、うまい感じにさらっと描写するなぁと。ケイが当初、フェーヤを偽造信号で操ることに反対するところなどは、彼女の《自由》に重きを置く思想が反映されていて、細かい伏線ではありますが丁寧だと感じました。

 ひとつ気になったのが『ティンカー』です。ティンカーは5日目以降は登場しないので、その後どうなったのだろう、と。ティンカーがちゃんと2人に警告してくれていれば惨劇は防げたのでしょうが、科学の結晶たる優秀な頭脳も『人間の自由への飽くなき欲求』までもは止めることができなかったようです。

 実際のカボチャ料理の描写に絡めて、カボチャをメタファーとして用いた会話が続き、ふむふむなるほどと思いながら読み進めていました。とくに、3段落に渡って描かれている「カボチャのポタージュ」「パンプキンパイ」「カボチャのプリン」ですね。これはヨダレが出てきそうな美味しい描写で、勉強になりました。

 カボチャといえば、よく大勢の前でスピーチをしなければならない緊張するシーンで『聴衆をみんなカボチャだと思え!』みたいに言いますね。作中の主人公は、対人恐怖が重く、カボチャでさえも人の顔に見えてきて薄っすらとした恐怖を覚えてしまう。私もどちらかと言えば神坂茜タイプの人間なので、彼女には共感します。

 ところで、最後の方でびっくりしたのですが、乾さん『私が彼を退職させましたから』ってさらっとスゴイ発言をしている……。乾さんも会社で懸命に戦っていたのだなぁと感じました。

 テーマ「食」の切り口が斬新だったことと、あと《食通の客》がかっこ良かったです。料理の注文の仕方で食通であると《解る》というのは、初めて知りました。

 私はフランス料理店は行ったことがなく、テーブル・マナーもメニューもまったく分からないのですが(フランス料理を訊かれて『エ、エスカルゴ?』とかろうじて答えられるくらい)、なるほどそういう世界もあるのだなぁ、と興味をそそられると共に、美食家への憧憬の念を感じるところです。

 作中では「店主が美食家の前に、まず食前酒のリストを広げたこと(それを店主は失礼な振る舞いをしたと恥じている)」「訪れた客が、食前にコーヒーを注文している(フルコースのコーヒーは食後だと思っていました)」この2つの、繋がりのある描写がいわゆる《通にしか解らないセカイ》なのだと感じ取りました。いやしかし、注文票を見ただけで相手の食通レベルがわかる、というのは面白いです。

「食客(しょっかく)」は意味を知らなかったので辞書を引きましたが、なるほど、勉強になりました。面白い切り口です。描写が丁寧で、リアリティのレベルの高い作品でした。

 ミスリードした箇所がいくつかありました。冒頭から七段落目まで語り手(私とボクが混在?)の年齢を16~18歳程度と思い込んでいたこと、『シホ』を小~中学生くらいだと思い込んでいたことです。(シホの、ビールと口紅の描写のくだりで、各登場人物の年齢を誤読していたことに気が付きました)

 祖父がタクシーを運転していて『先生』と出会ってからのエピソード。とても引きこまれまして、ドラマを見ているような感覚でした。バックミラー越しに為される会話と車内の空気が、こちらにも伝わってきました。物語としては長編にもできそうで、続きがあるならばもっと読んでみたいなと思える読後感です。

 恋、ですね。どこか読んでいて緊張感の走るような、静かであるのにドキドキとする描写です。『私』が水羊羹を食べる姿は描かれていましたが、『先輩』が水羊羹を食べる描写はないため、先輩が水羊羹をどのように味わって食べていたかは想像するところです。

 お嬢さんの心をこめた隠し味に気づけるのが、先輩ではなく私だという点が切ないですね。時代としては昔の話ではあるものの、想起されるのはバレンタインのチョコレートで、今も昔も恋は変わらず。

 人物の象徴としては

  • 私→柘榴の実(甘酸っぱく/やがて木とは離ればなれになる)
  • 先輩→柘榴の木(逞しく/鈍感で)
  • お嬢さん→水羊羹(純真に一途で/先輩には味が届かず)

 と私は解釈しましたが、このようにさまざまな想像をさせる書き方が良かったです。

 自作品。

 三人称文体を克服するひとつのきっかけが掴めたと感じています。

 上達を目指したいです。

 読みやすかったです。

 ナイフとフォークを使って食べる魚料理…! これはいきなり出されたら悩みますね。(フォークで骨とかどうやって取れば……)

 せっちゃんの家での体験談がメインですが、それに対する主人公のものの捉え方(フカシ芋で十分だ、ワインの話、寝るときの話…etc)で、主人公のふだんの家庭環境が明確な解像度を伴って浮かび上がります。

 最後、主人公は歳を取っていて、遠い過去を回想する形であったことがわかります。積み重なる人生のなかでさまざまな出来事があり、ビスケットを見るたびに主人公はその記憶を思い出して、ほろ苦い感傷に耽っていたのかなぁと感じるところです。

 

(終わり)

たんたんタスクがやってきた(黒歴史ポエムの公開処刑所)

月波ツカサ

たんたんタスクがやってきた(作・月波ツカサ)

たんたん たたたん

たんたんタスクがやってきた

ことばを つむぐよ たんたんタスク

 

淡々と、坦々と、ただキーボードを押すだけさ

たたたん、かたたん、簡単タスク

思考、感情、いらないよ、言葉がどんどん降ってくるもの

ぽんぽん、ぽぽぽん、本気でタスク

 

さあうたえ! おどれ! お気に召すまま!

キーボードを舞うタランチュラ!

 

たんたんタスクは終わらない、きりきり〆切迫ってる

やるべきことは、たんたんと、手を動かすしかない、納期が来るぞ

時速五千字、日速五万字、徹夜はイヤだよ、ねむねむタスク

 

はっ……僕はいったい何を書いているのだ

自分は果たしてナニモノで、此処はイズコで、今はナンジだ

 

書かれた刹那、《思考》は命を失った

屍体は《言葉》、原稿用紙に磔にされ

読まれた言葉、新たな思考の胎児となる

書くこと読むこと、死と再生の繰り返し

 

生きるために書き、書くために生きる

喜び、悲しみ、苦しみ、怒り、すべてを喰らって言葉にするんだ

現実も虚構も、理想も自虐も、みんなみんな呑み込んでしまえよ

とかくこの世は、狂気だ、凶器だ

ひらりひらりと言葉をかわし

ぬらりと近づき一刺しだ

混沌に消える

 

たんたんタスク、笑った笑った

腹をかかえて、言葉をぷくぷく

身をよじってでも絞りだすのだ

 

文字数足りない? 装飾過剰で!

クオリティ低い? リライトします!

拡散されたい? 燃やせ燃やすぞ大炎上!

文才ほしいの? レトリック&レトリック!

 

たんたんタスク、泣いた泣いた

生きるの辛いよ虚構に生きたい

頭抱えてでも、ひねりだすのだ

 

指示語が多すぎ? あれをこうして!

より具体的には? メタファでごまかす!

主語が大きい? まったく最近のニンゲンは!

受賞したいの? 書いて、書いて、書きまくれ!

 

たんたんタスク、かたたん、かたたた

記事を量産、かたたた、たかたた

がたが怖いね、腱鞘炎

たたた、たたかい、〆切に勝つ

自分に負けるな、たんたんタスク

 

たんたん たたたん

たんたんタスクもおわりがくるさ

ポストに入れれば、投稿完了

エンター押せば、納品完了

 

書かれた言葉はわたしを抜けて、ふわふわと風船のように飛び立つの。相手の心にたどり着く、わたしの言葉。でもそれはわたしではなく、わたしに似ているオバケみたいな。

ことばの亡霊、こころの幽霊。

ネットの海をふらふらさまよう、魂たくさん吸っちゃって、言葉に酔うの、むさぼり食うの。

 

たんたんタスク、タスクは終わり

眠るじかんだ、きょうもおやすみ

 

(終わり)

恋する少女(はてな題詠「短歌の目」第9回11月)

 はてな題詠に初参加いたします。よろしくお願いします。

 今回、個人的に設定したテーマは『恋する少女』秋といえば恋の季節(遠い目

tankanome.hateblo.jp

 

1. シチュー

お返しにホワイトシチュー持ってきた女子力高いカレシがいたの

 

2. 声

「好きだよ」と告白された声録ったボイスレコーダー音質わるい

 

3. 羽

ねぇキミも恋をしたから壊れたの? 羽の千切れた蝶の亡き骸

 

4. 信

ほっといて! さわらないでよ! あっちいけ! ニンゲン不信、あたしサボテン。

 

5. カニ歩き

うさぎ跳びくるりまわってカニ歩きダイエットする姿見られた

 

6. 蘭

元カレがくれた紫蘭の花言葉「変わらぬ愛」ってそんなの知らん
※紫蘭(しらん)

 

7. とり肌

壁ドンをしてきたカレシ、二の腕がとり肌立ってプルプルしてた

 

8. 霜

クール系彼氏はいつも冷たくて私のこころ霜焼けしちゃう

 

9. 末

流れ星、見ながら抱いて愛しあう。今日はふたりで終末デート。

 

10.【枕詞】ひさかたの

ひさかたの月を真紅に染めたのはアナタの嘘でアタシの愛よ

 

ありがとうございました。

(終わり)

『人生の半分』第14回短編小説の集い投稿作

「あなた、お食事が冷めます」

 妻の洋子がたしなめる。洋子はすでに夕食の半分以上を食べ終えていた。

 文雄は、箸を持った手を胸のあたりで止めたまま、テレビ画面に見入っている。

 車椅子バスケの特集だった。車椅子に乗った青年たちがコートを滑り、くるくると踊るようにしてボールのパスを繋げる。受け取ったひとりがふっと手を掲げると、ボールはもうゴールリングに入っていた。

 洋子の視線に気がついて、文雄は慌てて味噌汁の入ったお椀に手をかける。

「すまん」

 味噌汁を喉へと流しこむ。

 若ければ希望があるのか、いやいや若いのに希望を持っているからすごいのだ。俺もまだ五十七なのにと文雄は思う。自分は百二十歳まで生きると決めている。だからまだ人生の半分にも達していないのだ。

 豆腐のつるつるとした舌触り。噛みしめると、オクラのタネがぷちりと弾けた。赤味噌特有の芳醇な香りが広がる。味噌は香りが難しい。熱しすぎるとすぐ香りが飛んでしまう。味噌の風味が一番引き立つ《時間と温度》が文雄の秘伝レシピには存在したが、いつの間にか妻の手料理に追い越されていたようだ。

 

「少し早い定年退職ですけどね、趣味を持たなきゃダメですよ。すぐにボケるんですから」

 スポーツなんてどうです、昔やってたんでしょと洋子は言う。それからボケたら嫌ですよ、を三遍くらい繰り返した。耳にタコができそうだった。

 文雄はキュウリの漬物を箸でつまんだ。咀嚼するたびカリッカリッという小気味よいリズムが刻まれる。やはり夏といえばキュウリだ。夏といえば子供のときは甲子園行くのが夢だったなあと文雄は思い出す。あの頃は自分がラーメン屋をやるとは夢にも思っていなかった。

 文雄はもういちどテレビの画面の方を向いた。車椅子の若者がインタビューに生き生きとした表情で自分の夢を語っていた。

「そうだな……」

 こんがりとした焼色の、アジの塩焼きに箸をつけた。ほくほくとしたあたたかさを柔らかく舌が包む。アジは夏が旬だ。程よく脂が乗って身も引き締まっている。ラーメン界で魚介ダシが大流行したとき、文雄も研究のために様々な魚を試してみた。アジの干物から取れた出汁は優秀だった。故郷を思い出すようなどこか懐かしい旨味、繊細な風味を殺さない麺を見つけるのに苦労した。

 冷たい麦茶を口に入れると、喉にさわやかな感覚が広がった。甲寿屋秘伝の薫り味噌ラーメン、そして特選アジの魚介ラーメン、この二つは文雄の店で大人気のメニューとなった。息子が友達に『俺の親父は行列のできるラーメン屋なんだぜ』と自慢するのを聞いて、誇りに思った。その味の記憶も、遠い昔に消えたように思えた。

 

「明日、廃業届を出す」

 あらかた店を畳む準備は終わっていたが、廃業届をまだ税務署に出していなかった。これを出したら自分の人生のすべてが終わってしまうような気がした。

「そうですか」と洋子はそれだけ答えた。

 

 翌日、税務署で手続きを終えた文雄は、ふらふらと足が地面につかないような気持ちで帰路についた。実感が湧かない。手続きといっても大したことがない。廃業届と青色申告取りやめ届け、その紙っぺら二枚を税務署の窓口に手渡すと、確認用の日付印を押されてそれで終わり。「お疲れ様でした」「今までご苦労でしたね」のねぎらいの一言もない。(もっともそう声をかけられたとしても困ってしまうが)淡々とした事務仕事の流れそのもので、文雄の用事は一分もかからずに達せられてしまった。

 脱力する。自分が今まで背負ってきたものが、こんなものだったのかと、そして自分がこの先どうやって生きてゆけばいいのかわからなかった。

 帰り道、自分の店に立ち寄った。もう看板は無い。《らーめん甲寿屋》百年千年万年と語り継がれるラーメンを創ろうと名付けたが、結局三十年ぽっちで閉めることになった。

 降りたシャッターに貼られた閉店廃業の張り紙。文雄はしばらくその場で佇んだ。

 

「親方ぁ!!」

 懐かしい声に振り向くと、熊谷だった。以前にも増してずんぐりとした体で走ってきて、汗を白シャツで拭きながらぜえぜえ言っていた。五年前まで、熊谷を弟子にとっていた。その後熊谷は独立して、自分の店を持ったと聞いている。

「熊、店はどうした店は」

「へえ、お陰さまでぼちぼち……」

「そうじゃない。こんな昼間から空けてきたのかと訊いてるんだ」

「だって親方が……」

「馬鹿もん。くだらない理由で顔を見せる暇があったら、すぐに店に戻れ」

 親方、と呟いて、熊谷は目を真っ赤に充血させている。

「すんません、俺、親方のこと何も知らなくて」

 熊谷はもう泣き崩れていて、その場でわんわん叫びだしそうだった。洋子が余計なことを言ったのか。決して誰にも言うなと口止めしておいたのに。

「泣くな。みっともない。誰にでも、引き潮時ってもんがある」

 文雄は自分が泣き出したいくらいだった。

 ふと、ある考えが頭をよぎった。

 まだ金庫にしまってある秘伝のレシピ。あれを熊谷に託せば、自分の味はこれからも受け継がれるのでは――。いや、駄目だ。それはラーメン作りに命を懸ける男への冒涜となる。

「熊は熊の道をゆけ。俺は俺の道をゆく。それだけの話だ」

 文雄は熊谷の大きな肩をがしりと掴み、自分の道を進めと励ました。それはまるで文雄自身に言い聞かせる言葉のように。

 熊谷と別れ、家の玄関をくぐると「おじいちゃーん」と孫娘の風香が飛びついてきた。孫が遊びに来ているとは知らず、文雄は驚いた。

 よしよし大きくなったなと頭をなでていると、洋子が出てきた。

「隆史が来てるのか?」

「ええあの子ったら、突然帰ってくるんですから。連絡くらいくれればいいのに」

 隆史は今年で二十四になる息子だった。東京でコンピューターの仕事に就いているのだとか。息子が学生時代に結婚をしたので、文雄にはもう三歳になる孫娘ができてしまった。

「親父、帰ったんだ」

 隆史も廊下に出てくる。パパー!と声を上げて、風香は隆史の方に行ってしまった。

「会社はどうしたんだ、クビか?」

「縁起でもないこと言わないでくれよ。有給休暇だよ。お盆期間が忙しくて休めないから、代わりに時期をずらして取らされたわけ」

「よくわからんが、大丈夫だろうな。ブラックなんとかとか言うのが増えてるらしいぞ」

 隆史は曖昧に微笑んだ。風香がつまんないー!と言うので、隆史は風香を抱き上げて、居間の方へと姿を消した。

 

 文雄はお茶の間で、畳の上にあぐらをかいている。洋子が出してくれたほうじ茶を啜り、せんべいをかじった。この頃は食べるときに、音に集中してしまう。ガリッガリッという低い音が、頭に響く。

「隆史は大丈夫なのか」

「さあ。でも楽しいみたいですよ。お給料も上がったとかで」

 洋子が答える。彼女は最近ハマったらしいクロスワードパズルを解いていた。赤い老眼鏡で熱心にパズル雑誌を覗き込んでいる。

「うーん……」

 人生は人それぞれか。余計な干渉をするのも良くないと文雄は結論づけた。熊谷の姿がふと脳裏に浮かんだ。

「おじいちゃーん、あげるー!」

 風香がやってきて、文雄にアイスキャンデーの半分を差し出した。(そのアイスは真ん中で縦半分に割って二人で食べられるタイプのものだった)洋子が「おじいちゃんはアイス食べないのよ」と言ったが、文雄はそれを受け取った。風香の手にはもう半分のアイスが握られていて、おそろいね!と喜んでいた。

 そのアイスは淡い緑色をしていた。初めて見るアイスだった。文雄は一口齧って、しゃくしゃくと噛む。夏の日に涼しい、さわやかで透明な喉越し。

「ほぅ、ふうちゃんは抹茶が好きなのか」

 風香は意味が理解できなかったらしく、しばらく首を傾げて「きらーい」と言った。

 文雄が笑って「じゃあ、ふうちゃんのアイスも貰っちゃおうかな」と言うと、やー!と悲鳴を上げて逃げていった。

「ははは、かわいい年頃だな」

「あなた……」

 洋子は何かを言いたそうにしていた。

 

 隆史が呼ぶので、二階の部屋に行ってみると、机の上に一台の小型コンピューターが置かれていた。

「プレゼントだよ。親父、こないだ電話したときパソコンやりたいって言ってたからさ」

 文雄は、紙のように薄い画面を感心して眺める。ためしにボタンをひとつ押すと、色鮮やかな四角い箱が画面にぽっと灯った。とても自分が使いこなせるようになれるとは思えないが、文雄は純粋に、目の前に映る綺麗な風景に心惹かれた。

「休み中に使い方教えるからさ。元気だしてよ。母さんも毎晩心配で眠れないって、だから俺が今日駆けつけてきたんだよ」

「まさか……」

 文雄はここ最近は、むしろ明るく振舞っていたつもりだった。全然隠し切れていなかったということか。

 それから日が暮れるまで、文雄は隆史からパソコンの使い方を教わった。ワープロで文章が自由に打てるようになると、達成感があった。これで自分の半生を、自伝を書いてみたいなという気持ちが膨らんだ。いや恥ずかしいかな。まあいい、新しいことを始めるというのは、悪い気分ではなかった。

「これが、隆史のやってる仕事なんだな」

 文雄が感慨深げに言うと、隆史は少しだけ間を置いて「まあね」と答えた。

 

 夜、夕食を終えて、縁側で涼んでいると、洋子がスイカを持ってきた。風香が「メロンがいい」と駄々をこねる。顔をふくらませる孫を眺めて、文雄は微笑む。欲があるのはいい。欲は生きる力だ。

 それから縁側から足を投げ出して、星を眺めた。自分はこれから何がやりたいのだろう、と思った。

 風香が隣に座ったので、文雄は聞いてみた。

「ふうちゃんは大きくなったら何になりたいのかな」

「ふうはねー、パティシエになるの。ケーキ作ってー、おじいちゃんに食べさせてあげる」

 文雄は胸が詰まった。涙を見せないようなるべく空を見上げて、風香を抱き寄せた。頭をよしよしと撫でた。風香は顔をうずめて喜んでいる。

「風香はいい子ですよ」

 洋子が言った。

「ああ……、長生きしないとな」

 文雄は強く誓った。風香がお嫁に入るまでは生きていようと。まだまだ、人生は半分なのだ。楽しみなことがいくらでもあるではないか。

 味がわからない。自分が味覚障害になったと知ったとき、何もかもに絶望し、すべてを失ったと感じた。けれど、自分にはまだ大切な生きる理由があるではないか。洋子、隆史、風香、それに熊谷もいる。そう簡単に死ねるものか。

「あたりまえです」

 七月の空に、星が輝いていた。

 

(了)

 

 この記事は、

【第14回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」

 の参加作品です。(約4,200文字、テーマは「食」)11月3日深夜が〆切で、ものすごくぎりぎりな時間の投稿となってしまってすみません。とても悩んだ作品ですが、書くことができて良かったです。

 他の参加者の方の作品は

 こちらから読むことができます。

 

(終わり)

(謝辞)『タロットプロット』頂いたご意見へのお礼と、今後の改善案について

 先日、弊サイト『タロットプロット』をプレゼン発表する機会があり、多くの方々から貴重なご意見をいただきました。今後サイトをどのように改善すれば良いのか、またWebサイト設計で何に気をつけるべきなのか、大変勉強になりました。

 本当にありがとうございました。頂いたアドバイスは必ず、今後の改善に繋げます。

 以下では、皆さまから頂いたご意見をご紹介し、今後タロットプロットをどのように改善していくかについてお話できればと思います。

1.デザイン面

 デザイン面では非常に多くのツッコミを頂きました。要約すると「デザインはとにかくまずいので、何とかするべき」私もこの件は重く受け止めていまして、早急にウェブデザインの再設計に取り掛かる予定です。

デザインに関するご指摘

Q.トップページのメインビジュアルが、怪しいサイトのようになっていて、使いづらい。初めて訪れる人は有料サービスだと思ってしまうのではないか?

Q.色を使いすぎている。色が多すぎて見づらくなっている。配色に統一性を持たせるべきである。

Q.文字大小のメリハリがなく、読みづらい箇所がある。文字のジャンプ率を意識すべき。

デザインの反省点

 トップページのメインビジュアル、および配色設計については、私も失敗したなと感じております。

 このようにして眺めると……、たしかに。デザイン設計時点で気がつくべきでした。

 すごく極端な例ですが、初心者がやってしまいがちな悪例として

 みたいなロゴを作ってしまう。私も「ははは、さすがにここまでダサいのは作らんやろ」と笑っていたものの、いやはや……反省します。

今後の改善案

 デザインをゼロから再構築し、中身のコンテンツも含めて大規模アップデートをする予定です。やはり「小説のプロットを占う」サービスなので、白色ベースですっきりとまとまるようなデザインに改善したいです。

 参考サイトとしては、小説家になろうが挙げられます。

 シンプルでとても見やすく、安心感もある。また、無彩色ベースであれば、このブログ「ときまき!」に似せても面白いかなと考えています。

(我ながら気に入っているデザイン)

2.技術面

 技術面でもさまざまなご指摘ご要望をいただきました。現状は、JavaScriptでカードがランダムに引けるだけなのですが、今後さらに機能は拡充させていきたいです。

機能、システム等に関するご指摘

Q.占い結果の保存について。現状はユーザーにテキストエリアから「ctrl+C」でコピーさせる方式を採っているが、これは不便だ。せめてボタンクリックひとつで、クリップボードにコピーできるようにすべき。とくに、スマホ版。コピー用の「ボタン」は用意したほうが望ましい。

Q.PHPで占い結果ページそのものを保存させ、診断結果をツイッターで拡散できるような仕組み(多くの占いサイトがこれを実現している)が欲しい。

Q.レスポンシブではないため、今後、解説記事コンテンツを拡充するのであればメンテナンス性が悪いように感じる。

Q.カードを引く枚数が多いとき、いちいちマウスでクリックするのが面倒。例えば一括でカードを展開して、ユーザーがすぐに占い結果を見れるような配慮が欲しい。

機能、システムでの反省点

 ユーザビリティ上これはさすがに宜しくないとご指摘があったのは、占い結果の保存方法です。

 現状、結果保存用のコピーフィールドは上のようになっており、ユーザーは「ctrl+C」か右クリックで保存するしか選択肢がありません。(スマホ版も同様)

 これは確かに不便であり、早急に直すべき部分です。多くのサイトでは、ボタンをワンクリックするだけでコピーができる機能を取り入れています。とくにスマホでは右クリックやキーボードショートカットが使いづらいため「コピー用ボタン」が必須です。クリップボード制御は思いのほか敷居が高かったため導入を見送っていたのですが、この機会に勉強しようと思います。

 その他の点についても、現在見直しを行っています。占い結果専用のページを作って、ツイッターで呟けるシステムはやはり欲しいところで「ツイッター診断メーカー」をはじめ、このようなシステムはアクセス向上のためには欠かせないものとなっています。

3.コンテンツ面

 最も重要なのは中身のコンテンツであり、コンテンツを第一に考えて、それを生かせるデザインや技術を作っていく必要があります。

コンテンツに関するご指摘

Q.現状では「ネタ出しツール」くらいにはなるかもしれないが「プロット作成支援」を謳うには、まだ深みが足りない。

Q.恋愛小説、SF、ミステリーなど、書くジャンルに合わせた占いコンテンツを作って欲しい。

Q.占い結果で、例えば人物設定を行うときには「どのような人物か」というキーワードだけが欲しい。現状は「行動/状態/性質/人物像」などを示すキーワードが全部一緒くたに表示されてしまっており、解釈が難しい。

Q.箇条書きでキーワードを羅列するのではなく、文章形式で占い結果が読みたい

Q.現状は「ポジティブな意味のカード」と「ネガティブな意味のカード」とが半々に存在し、ランダムに出てくる。しかし例えば《主人公の願望》だとか《物語の結末》の項目にネガティブな意味のカードが出ると、困ってしまう。ユーザーが事前に、ハッピーエンドにするかバッドエンドにするかを決めて、それに応じて出すカードを変えられないだろうか。

Q.インプットではなく、アウトプットの支援システムが欲しい。例えば「キャラ設定シート」や「物語設計シート」など、問いに答えて項目を埋めるだけで簡単にプロットが生成できるような仕組みがあると良い。

Q.カテゴリ分けが、現状は「テーマ」「ストーリー」「キャラクター」「ペルソナ」「ワールド」とあるが、わかりづらい。

(改善予定→「ネタ出し」「物語設計」「キャラ設定」「世界観設定」と、より一般的に用いられる言葉でカテゴリを再編成する)

Q.ユーザーが自作のプロットを投稿して、評価し合えるような投稿サービスを作って欲しい。

 などなど、たくさんの声をいただきました。頑張ります!

 個人運営のサイトのメリットは、時間をかけていくらでも修正&バージョンアップを行えることです。上記に挙げた機能すべてを実装することは難しいですが、可能な限り実現させ、より使いやすいサイトに発展させていこうと思います。

 タロットプロットに関するご意見ご感想を募集しています。上のメールフォームから送ってくださると嬉しいです。匿名でもOKです。

最後に

 タロットプロットは完全な趣味サイトで、(そのうち入れるかもしれませんが)現時点ではAdsense広告等は入れずマネタイズは考えておりません。

 では、私がタロットプロットを作る目的、メリット、制作動機は何なのか?という質問に正直に答えるとするならば

「タロットプロットで作ったプロットで新人賞を突破したい」

 もう本当に、この一言に尽きます。俺が新人賞を受賞する、ただそのためだけにタロットプロットを作ったんだ!と言っても過言ではないです。

 ゆえに、私自身が一番熱心なタロットプロットユーザーであるという自負はあるのですが、贔屓目に見ても、現状のサイトは使いづらい。これではまだ、満足の行くプロットは作れない。何とかしなければ、もっと使いやすいサイトにしたい、と思います。

 ありがとうございました!

(終わり)

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